ソチミルコの小舟に揺られて
メキシコシティの中心部から車で1時間ほどの場所にあるソチミルコは、最近は人形島でも有名ですが、元々は「花であふれる場所」という意味のメキシコを代表する観光地です。運河とともに生活している地域で、メキシコのベネチアとも言われ、世界遺産にも登録されています。
休日になるとメキシコ市民が手漕ぎの遊覧船で水路に繰り出し、マリアッチを楽しんだり宴会を繰り広げたりと、とても賑やかとのこと。
ただ行った日本人の噂を聞いていると、「思ったよりしょぼい」とか「水が汚くて全然ベネチアの雰囲気じゃない」とか散々な言われようだったので、今まで全く興味がありませんでした。
とはいえ「死者の日」の時期は飾り付けも綺麗だから行った方が良い!とスペイン語の先生にお勧めされたので、ものは試しに、とお出かけすることに。
現地到着後、ネット情報によると、船着き場はいくつかあり価格も違うとのことだったので、いつくかの船着き場を回ってそれぞれ値段を聞いてみました。
ちなみに政府公定価格は1時間200ペソ、2時間350ペソです。
駅から近い方から、1軒目は2時間で500ペソ、2軒目は2時間で350ペソ(マリアッチ付き)、3軒目は2時間で250ペソまで下がりました。
おお、1軒目は結構ふっかけて来てたってことね。
最終的には1時間で十分かなと思ったので、3軒目で1時間200ペソで乗船してきました。交渉の時に、好きな値段を言えって言われて、公定価格を言うあたりが弱気です。。
船着き場の売店で、ミッチェラーダを頼みました。紙コップの飲み口にチリパウダーをまぶし、ライムの絞り汁・サルサソース・ウスターソース・塩をごちゃっと入れ、1リットルのコロナビールを注ぎ入れて完成という代物です。
まあお腹が慣れていない内は飲まない方が良さそう。
他の船とぶつかるたびに、中身がこぼれます。
早く一定量を飲まなければ、と妙に焦りますが、こんなにたくさん飲むとトイレも心配だしなぁ、と普通のビールにすればよかったと後悔し始めた頃、船が水路に進出しました。
この日は空が真っ青で、風がとても心地よかったです。
水路はたくさんの船で賑わっていて、マリアッチの音色がそこら中にあり、楽しそうに宴会をしているグループや、船の張り出し部分に寝そべって歌っている女の子たちもいました。
船は全て手漕ぎで、船頭さんゆっくりゆっくり棒を使って進めてくれます。
水底に深く突き刺してしまったのか、棒が抜けずに置き去りにしてしまった船頭さんを見かけました。その後他の船頭さんが助けてくれていましたが、笑いありの和やかな雰囲気。
また水路の両側には園芸店がちらほらあり、植物を売っている船も出ていました。
他にも、飲み物売店やタコス売店、焼きとうもろこし売店なども浮かんでいました。
焼きとうもろこしの誘惑に負けて一つ買ってみましたが、そんなに味がなかった。。まあ縁日の食べ物と一緒で雰囲気勝負ですね。
30分くらい進んできたところで、船頭さんが器用に船を回転させて来た道を引き返します。
帰り道では、お決まりのコースなのか園芸店の一つの前で船を停め、見てきたらと促されました。
盆栽みたいなのもありました。
今回は買いませんでしたが、メキシコの花はすごく丈夫で値段も安いです。日本の10分の1以下とかで買えるんじゃないかなぁ。感覚的にですが。
心配していたトイレの件ですが、各園芸店などでトイレ貸しますよという張り紙がしてあり、5ペソくらいで利用できます。なのでたくさん飲んでも大丈夫。
とまあ、こんな感じでのんびり過ごして1時間の遊覧はあっという間に終わりました。
風が気持ち良く、爽やかな休日になりましたよ。
期待しないで行くと、噂とは裏腹に結構楽しく過ごせるスポットでした。
最後に、もし興味がある方は「ソチミルコ・人形島」で検索してみてください。かなりゾォ〜っとできます。ちなみに、人形島に行くのはこの船で往復4時間くらいかかるということでした。交渉次第で連れてってくれそうな雰囲気。。絶対行かないけどね。